1→年齢や既往歴との関係も強いが、下肢を動かさないことで深部静脈血栓症・沈下性肺炎・認知症・尿路感染症・褥瘡・筋萎縮などが発症する。特に深部静脈血栓症は、下肢の深部にある静脈で血栓ができ、それが肺につまり肺塞栓をきたす危険性があるため、注意が必要である。
2→過剰仮骨形成とは、さまざまな原因によって仮骨が過剰に形成され、吸収が少ないか全く吸収されない状態をいう。関節付近の骨折に多く、過剰仮骨により神経や血管が圧迫され障害が起こる。
3→骨化性筋炎とは、外傷により筋組織内や骨膜外にあった血腫が吸収されず骨化する現象である。
4→脂肪塞栓とは、骨折時脂質代謝の変化で血中脂肪が脂肪滴になったり、骨折部から流出した骨髄脂肪の小滴が損傷された血管内に入ったりすることで起こるものをいう。大腿骨や骨盤骨骨折、多発骨折などでみられる。
受傷後1~ 3日の間に起こり、肺塞栓では頻呼吸・呼吸困難・チアノーゼ、脳塞栓では頭痛・不安感・意識障害・嘔吐・痙攣、心塞栓では心悸亢進・血圧の下降などが起こり、死の危険性がある。