1→心拍出量(Cardiac Output, CO)は1分間に心臓から送り出される血液の量を表し、これは心拍数(Heart Rate, HR)と1回拍出量(Stroke Volume, SV)の積で計算されます。以下は各選択肢についての解説です。
1) 心拍数の低下
心拍数の低下は、その他の変数が変わらない場合、心拍出量を減少させます。心拍数が減少することで、分間の拍出回数が少なくなるため、全体の心拍出量も低下します。
2) 心室収縮力の低下
心室の収縮力(Contractility)が低下すると、心臓が血液を押し出す能力が減ってしまい、結果として1回の拍出量が少なくなります。これにより心拍出量も低下します。
3) 全身末梢血管抵抗の低下
全身末梢血管抵抗(Systemic Vascular Resistance, SVR)が低下すると、血液の流れが良くなり、心臓からの血液の排出が容易になります。これにより1回の拍出量が安定または増加する可能性があり、心拍数が一定である場合、心拍出量は増加します。選択肢3が正解です。
4) 心室拡張末期容量の低下
心室拡張末期容量(End-Diastolic Volume, EDV)が低下すると、心室が拡張期に取り込む血液量が減ります。これはフランク・スターリングの法則により、心室が収縮する際の力も減少することを意味し、1回の拍出量が低下します。したがって、心室拡張末期容量の低下も心拍出量を減少させることになります。
以上から、心拍出量を増やすのは「選択肢3) 全身末梢血管抵抗の低下」です。