1→正解は「1.呼気が延長する」です。この選択肢が慢性閉塞性肺疾患(COPD)の特徴である理由を説明します。
選択肢1:呼気が延長する
慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、空気の流れが制限されるために呼吸が困難になります。特に呼気の際に気道が狭くなり、空気の排出が遅くなることが特徴的です。このため、呼気が通常よりも長くなる現象が観察されます。この選択肢はCOPDの典型的な症状を正確に表しており、答えとして正しいです。
選択肢2:漏斗胸を呈する
漏斗胸は胸骨が後方に陥没する先天的な胸部の変形であり、COPDとは直接的な関連がありません。COPD患者は胸が広がる「樽型胸」を呈することがあるため、この選択肢は不正確です。
選択肢3:肺肝境界が上昇する
COPDでは、慢性的な肺の膨張(肺気腫)により、実際には横隔膜が下方に押し下げられるため、肺肝境界が下降することが一般的です。肺の過膨張が進行すると、肺肝境界は下がり、これもCOPDの特徴的な所見です。この選択肢は誤りです。
選択肢4:肺野の打診で濁音を呈する
COPDでは、肺野の打診により通常は共鳴音が聞かれます。共鳴音は肺が空気を多く含むために生じる音で、濁音(打診音が鈍い音)は通常、液体の存在や肺炎、腫瘤などの場合に観察されます。この選択肢はCOPDの特徴としては不正確です。
以上の解説から、選択肢1「呼気が延長する」がCOPDにおける正確な症状であり、この疾患の評価において適切な説明であることが確認できます。