第31回柔道整復師国家試験 午後42

1→正解は「4.脳塞栓」です。これが心房細動と診断されている患者で突然失語が発生した場合、最も考えられる原因である理由を説明します。 選択肢1：アテローム血栓性脳梗塞 アテローム血栓性脳梗塞は、動脈硬化が原因で動脈内のプラークが破綻し、その場で血栓が形成されることによって起こります。この状態は一般的には慢性的なリスクファクター（高血圧、高脂血症など）の蓄積によるものであり、心房細動と直接の関連は薄いです。 選択肢2：くも膜下出血 くも膜下出血は主に脳動脈瘤の破裂によって引き起こされる状態で、突然の頭痛が最も一般的な症状です。失語はくも膜下出血の直接的な症状ではなく、この状況では最も考えられる原因ではありません。 選択肢3：ラクナ梗塞 ラクナ梗塞は、小さな貫通動脈が詰まることで発生します。このタイプの梗塞は通常、高血圧や糖尿病などの基礎疾患が原因であり、心房細動から直接的に引き起こされることは少ないです。ラクナ梗塞が失語を引き起こすことはありますが、このケースでは最も可能性が高いとは言えません。 選択肢4：脳塞栓 心房細動の患者は、不整脈により心房が不完全に収縮し、血液が停滞して心房内に血栓が形成されるリスクが高くなります。この血栓が心房から脳へと移動し、脳血管を塞ぐことがあります。これが脳塞栓であり、失語や片麻痺などの急性脳卒中の症状を引き起こす原因となります。心房細動の患者が突然失語を発症した場合、脳塞栓が最も考えられる原因です。 以上の解説から、心房細動の患者で突然失語が発生した場合に最も考えられる原因として「脳塞栓」が正しいとされる理由が確認できます。