第31回国家試験 午後44
40歳の女性。1か月前から動悸と手の震えがあり、10日前からしゃがんだときに手すりをつかまないと立ち上がりにくくなった。脈拍112拍/分・整、頸部の腫大と眼球突出がある。 考えられる診断はどれか。
正解!
不正解 答え 2
1→選択肢1:橋本病
橋本病(橋本甲状腺炎)は自己免疫性の甲状腺疾患で、通常は甲状腺機能低下症を引き起こします。主な症状は疲労感、体重増加、寒がり、便秘などです。この患者の症状、特に脈拍の増加や眼球突出は、橋本病の典型的な症状とは異なります。この選択肢は誤りです。
選択肢2:バセドウ(Basedow)病
バセドウ病は自己免疫性甲状腺疾患で、甲状腺機能亢進症を引き起こします。症状には動悸、手の震え、体重減少、発汗増加、眼球突出が含まれます。患者が示す症状(動悸、手の震え、しゃがんだときの困難、眼球突出)はバセドウ病の特徴的なものであり、この選択肢が正しいです。
選択肢3:原発性アルドステロン症
原発性アルドステロン症は、アルドステロンの過剰産生により引き起こされる疾患で、高血圧と低カリウム血症が主な症状です。この症状は、問題の患者の症状とは一致しません。この選択肢も誤りです。
選択肢4:パーキンソン(Parkinson)病
パーキンソン病は神経変性疾患で、主に震え、筋肉の硬直、動作の遅さ、歩行障害などを特徴とします。しかし、眼球突出や甲状腺の腫大はパーキンソン病の特徴ではありません。この選択肢も誤りです。
以上の分析から、この患者の症状はバセドウ病に最も一致しており、正しい答えは「2」です。