第32回国家試験 午後108
58歳の男性。歩道の溝につまずき転倒し、前腕回内位で肘関節外反強制された。肘関節外側部の腫脹と圧痛がみられ、前腕回外運動で疼痛が増強する。この損傷で正しいのはどれか。
正解!
不正解 答え 3
1→1) 肘は内反位をとる。
- この選択肢は不正解です。肘関節が外反強制された場合、関節が内反位をとるとは限りません。外反強制とは肘が外側へ強制される動きのことで、内反位とは支配的な位置関係や病態を示すわけではないため、このシナリオの状況からは内反位をとるとは断定できません。
2) 肘関節前方脱臼を合併しやすい。
- この選択肢も不正解です。転倒による外反力によって、実際には肘関節の後方脱臼の方が一般的です。前方脱臼では前腕が肘関節よりも前方に位置することになりますが、溝につまずき転倒した際の事故メカニズムからは、前方脱臼よりも後方や側方の脱臼が考えられます。
3) 解剖学的整復が必要である。
- 選択肢3が正解です。外反強制により、肘関節周囲のリガメント損傷や骨折を伴うことがあり、腫脹や圧痛が生じます。前腕回外運動で疼痛が増強するのは、これらの組織が関与しているためです。解剖学的整復は、損傷した肢位や構造を元の正常な解剖学的位置に戻す治療であり、このケースでは必要であると考えられます。
4) 前腕中間位で固定する。
- この選択肢は不正解です。肘関節や前腕の固定は、損傷した構造に応じて適切な位置で行う必要があります。中間位での固定が適切かどうかは損傷の種類や程度により異なり、選択肢に提示されている情報からはこの固定位が最適であるかは判断できません。通常、損傷後の固定は痛みを最小限に抑え、治癒を促すための最も安定した位置で行われます。