1→1) 肘関節を伸展位にする。
肘関節後方脱臼の際に関節を伸展位にすることは推奨されません。これは脱臼が起こっている際、関節を伸ばすことによって関節周辺の神経や血管を損傷するリスクが高まるためです。また、伸展位では関節面が適切に整復されにくい状態になります。
2) 回内・回外中間位で牽引をする。
肘関節後方脱臼の整復において、回内・回外の中間位で牽引すること自体が間違いだとはいえませんが、これだけが正しい整復法を示しているわけではありません。肘関節の位置や牽引の方向が整復には重要ですが、選択肢3の前腕長軸方向に牽引することが整復法の基本であるため、この選択肢だけでは不完全な解答となります。
3) 前腕長軸方向に牽引する。
これが正解で、肘関節後方脱臼の整復法では、患者の前腕に沿って長軸方向に牽引を行います。この方法は、肘関節の関節面を適切に整合させるために効果的であり、周囲の神経や血管の損傷のリスクを最小限に抑えることができます。牽引の際には肘を軽く屈曲させた状態で行います。
4) 肘関節を過伸展して整復を確認する
過伸展は避けるべきで、これによってさらなる神経や血管の損傷、さらには軟骨の損傷などを起こす可能性があります。整復の確認は、関節の軽度の屈曲位に戻した状態で行われるべきであり、安全に整復が行われているかを確認するための適切な動作とは言えません。
選択肢3が正解です。肘関節後方脱臼の場合、前腕長軸方向に牽引し、同時に肘関節を軽く屈曲させた状態で整復するのが適切な方法です。