1→選択肢1) 推尺異常
小脳の機能不全は、自発運動や精密な動作の調節に影響を与えます。ヒトが意図的に行う筋肉の動きを正確にコントロールする力が損なわれ、その結果、推尺異常(ダイサースキネジア)という運動障害が現れることがあります。これは、患者が腕を伸ばすときに手首の振りが過剰になるなど、非常に不器用で大げさな動きを見せるものです。
選択肢1が正解です。
選択肢2) 仮面様顔貌
仮面様顔貌は、パーキンソン病などの基底核障害において特徴的な症状です。基底核は意志による動作の開始や動作の滑らかさを調節する役割を持つため、障害が生じると表情筋の動きが働きにくくなり、感情の表現が乏しくなることがあります。これは小脳損傷の症状ではありません。
選択肢3) 静止時振戦
静止時振戦もパーキンソン病に特有の症状であり、手足が静止している時に規則的に震えることを指します。基底核のドーパミン神経細胞の減少が関わっており、小脳の障害によって主に起こるわけではありません。
選択肢4) バビンスキー反射
バビンスキー反射は、大脳皮質の損傷、特に脊髄の上位運動ニューロンの障害の場合に正常な成人で見られる現象です。これは足の裏を強く撫でると、大趾が背屈し、他の趾が開くという反応です。小脳障害には直接関連していません。