1→線維素溶解現象では、血液の凝固によってできたフィブリンが分解されます。以下はそれぞれの選択肢に対する解説です。
1) グロブリン
グロブリンはタンパク質の一種で、血液中に存在する多くのグロブリンが免疫に関わる役割を果たしています。血漿中では、アルブミンとともにオンコティック圧を維持している重要なタンパク質ですが、線維素溶解現象において直接分解されるわけではありません。
2) トロンビン
トロンビンは、血液凝固カスケードにおける酵素の一つで、フィブリノーゲンをフィブリンに変換する役割を持っています。このプロセスは線維素溶解現象ではなく、血液が凝固する際の一連の反応の一部です。線維素溶解現象ではトロンビンは分解されません。
3) フィブリン
フィブリンは血液凝固時に形成される線維状のタンパク質で、傷口の止血や修復に不可欠なフィブリンネットワークを構築します。線維素溶解現象は、このフィブリンネットワークを分解することで、血栓を溶解したり、すでに修復が完了した部位のクリーニングを行います。従って、選択肢3のフィブリンが正解です。
4) プラスミン
プラスミンは血液中の酵素であり、線維素溶解系においてフィブリンを分解する主要なタンパク質です。プラスミノーゲンをプラスミンに変換することにより活性化し、その後フィブリンを分解して血液の流れを改善することができます。プラスミン自体は、線維素溶解現象によって分解されるのではなく、その現象を行うための酵素です。
正答は「選択肢3」が正解です。フィブリンが線維素溶解現象により分解されるタンパク質です。