第30回柔道整復師国家試験 午前104

1→1) ミトコンドリア数の減少 解説: 加齢に伴って、ミトコンドリアの数は減少することが知られています。ミトコンドリアは細胞内でのエネルギー産生に重要な役割を担っており、その数の減少は細胞機能の低下と関連しています。この変化は筋肉などの組織におけるエネルギー産生能力の低下に寄与する可能性があります。選択肢1が正解です。 2) 細胞膜の流動性の増加 解説: 加齢と共に細胞膜の流動性は低下するとされています。細胞膜に含まれるリン脂質やコレステロールの組成の変化などが流動性の低下に影響を及ぼします。流動性が低下することで細胞のシグナル伝達や物質の輸送が阻害されると考えられています。 3) テロメアの増長 解説: テロメアは、クロモソーム末端に位置するDNAの非コーディング領域で、細胞分裂の都度短くなります。加齢と共にテロメアは短くなり、ある一定の長さに達すると細胞分裂が停止することで加齢に関連する様々な機能低下に影響を与えるとされています。したがって、テロメアの増長は加齢に伴う変化とは逆の現象です。 4) 細胞分裂の増加 解説: 加齢に伴い、体細胞の分裂能力はむしろ減少するとされています。老化過程でテロメアが短くなり、細胞が分裂不可のセネッセンス状態に入ることが一因と考えられます。また、細胞分裂が減少することで組織の修復能力が低下するとも考えられています。 以上の解説から、加齢に伴う変化として正しいのは「選択肢1) ミトコンドリア数の減少」です。