1→肺塞栓症の原因となる血栓が形成される部位について説明します。
1) 大動脈瘤
大動脈瘤は動脈の壁が弱くなって膨らんだ状態ですが、ここで形成される血栓が直接肺塞栓症の原因になることは一般的ではありません。肺塞栓症は静脈系の血栓が肺の血管を塞ぐことで発症しますが、大動脈瘤は動脈系の疾患であり、肺塞栓症の直接的な原因とはなりません。
2) 左心耳
左心耳は心房の一部であり、ここに血栓が形成された場合は、脳卒中やその他の動脈系の問題を引き起こす可能性がありますが、この血栓が肺塞栓症を引き起こすことはありません。この理由は、左心耳から生じた血栓が動脈を通って全身に運ばれるためです。
3) 大腿静脈
肺塞栓症の原因となる血栓は、ほとんどの場合、下肢の静脈系、特に大腿静脈などの深部静脈に形成されます。この血栓(深部静脈血栓)が脱落して血流に乗り、肺動脈まで運ばれて肺の血管を塞ぐことが肺塞栓症の主なメカニズムです。したがって、選択肢3が正解です。
4) 肺静脈
肺静脈は肺から心臓に酸素豊富な血液を戻す血管です。血栓が肺静脈で発生することは非常に珍しく、肺塞栓症の原因とはなりにくいです。肺塞栓症は、通常、体の他の部分、特に下肢の深部静脈から脱落した血栓によって引き起こされるため、肺静脈は原因部位ではありません。
以上の説明から、肺塞栓症の原因となる血栓ができる部位は「選択肢3) 大腿静脈」です。