1→1) 被殼 - 被殻出血は脳内出血のなかでより一般的なタイプの一つです。被殻は大脳基底核の一部であり、ここに出血が起きると運動や感覚に関連した神経症状が現れることが多く、回転性めまいやふらつきよりも半身不随や感覚障害が特徴的です。したがって、この患者の症状には直接関連がない可能性が高いです。
2) 視床 - 視床出血も脳内出血の一形態ですが、これは主に意識障害や言語障害、そして感覚障害の症状を引き起こします。目の動きと関連しているため、視床出血によるめまいが報告されることはあるものの、典型的には回転性めまいよりも他の神経学的症状が優位になります。
3) 小脳 - 脳のバランスと協調運動を司る小脳出血は、回転性めまいやふらつき、協調運動障害などの症状を引き起こすことが知られています。小脳に影響を及ぼす損傷は、バランスや運動の正確さに影響を与えるため、この患者の訴えに一致すると言えます。したがって、選択肢3が正解です。
4) くも膜下 - くも膜下出血は、脳の表面に近いくも膜と脳組織の間で起きる出血です。これはしばしば激しい頭痛(「雷に打たれたような」頭痛と表現されることが多い)、意識障害、けいれんなどの症状を伴います。回転性めまいやふらつきは主症状ではありませんが、その他の症状と共に稀に見られることはあります。しかし、このケースでは小脳出血がより関連性が高いと考えられます。