第30回国家試験 午後67
16歳の女子。バレーボールの試合中、ジャンプで着地した際左膝に激痛が走った。試合は続行できたが、痛みが引かないため来所した。来所時、ラックマンテストが陽性であった。
来所時の対応で誤っているのはどれか。
正解!
不正解 答え 3
1→1) 膝蓋跳動の有無を確認する。
膝に激痛を覚えた際、膝蓋骨の位置や膝蓋骨周囲の腫脹、損傷などの状態を把握するために膝蓋跳動の有無を確認することは重要です。膝蓋骨が正常に跳動しているかどうかは、膝蓋腱や周囲の組織の損傷の程度を推測する手がかりになり得ます。したがって、この対応は誤っていないと言えます。
2) MRI検査を勧める。
ラックマンテストが陽性であるということは、前十字靭帯(ACL)に損傷がある可能性が高いことを示唆しています。MRI検査は、軟部組織の損傷の診断、特にACL損傷の確定診断に非常に有用な検査方法です。そのため、この症例ではMRI検査を勧めることは適切な対応となりますので、誤っているとは言えません。
選択肢3) 早期からスクワット訓練を指導する。
怪我をしたばかりの膝に対して、早期からスクワット訓練を指導することは適切ではありません。筋肉や靭帯等の損傷した組織が回復するのを待つ必要があり、早期の負荷は損傷を悪化させる可能性があります。安静を保ち、腫れや痛みが落ち着いてから、適切なリハビリテーションプログラムを開始することが必要です。よって、正しい指導ではないため、この選択肢が正解です。
4) 発症予防プログラムが有効である。
膝の怪我、特にACL損傷を予防するためのプログラムは有効です。これには、筋力トレーニング、プロプリオセプション(位置感覚)の向上訓練、正しい着地テクニックの習得などが含まれます。この患者に対して怪我の再発を防ぐための対策として予防プログラムの指導が有効であることは間違いありません。したがって、この対応は誤っているとは言えません。