第30回国家試験 午後122
21歳の男性。サッカー練習中に左足関節を捻り来所した。前面に疼痛があり、背屈強制で疼痛は増強した。数回の足関節外側靭帯損傷の既往がある。
考えられるのはどれか。
正解!
不正解 答え 2
1→1) 足根洞症候群
足根洞症候群は、距骨下関節の過度のストレスや炎症により足底の神経が圧迫される状態を指します。ただし、患者が足関節を捻ったこと及び背屈で疼痛が増強することからは、足根洞症候群の診断は考えにくいです。
2) 衝突性外骨腫
衝突性外骨腫とは、くるぶしの前方に骨の突出が生じ、足関節の背屈時に疼痛が生じる病態であり、特にくるぶしの前方での過度の使用や反復外傷が原因で起こります。患者の既往歴や現在症状が足関節の前方の疼痛と背屈時に増強することから、この病態が最も考えられます。選択肢2が正解です。
3) 足関節三角骨障害
足関節三角骨障害は、足関節内側部分に位置する三角骨が炎症を起こす状態です。捻挫後の症状や既往歴に基づくとこの状態も考えられなくはないですが、主訴の前方の疼痛とは一致しないため、このケースではあまり考えられません。
4) 腓骨筋腱脱臼
腓骨筋腱脱臼は、外側腓骨筋がその溝から外れてしまう状態を指します。この病態は足関節の捻挫により引き起こされることがありますが、主として足関節の外側に疼痛を感じるため、このケースにおける前方の疼痛とは一致しないため不適切です。