1→肩のインピンジメント症候群は、上腕骨の大結節が肩峰に挟まれることによって腱や滑液包が圧迫される疾患です。それに関連する症状や所見について解説します。
1) 雑音聴取 - インピンジメント症候群で肩関節の動きに伴い、こすれるような音(クレピタス)が聴取されることがあります。このため、この選択肢はインピンジメント症候群の所見に含まれます。
2) 肩峰下疼痛出現 - インピンジメント症候群の主な症状の一つであり、肩峰の下の圧迫される部位に疼痛が生じます。したがって、この選択肢もインピンジメント症候群の所見です。
3) 外転位保持不能 - インピンジメント症候群では、肩関節を外転させた際に疼痛が増悪するため、外転位を保持することが困難になることがあります。この症状はインピンジメントテストの一つとしても利用されます。このため、この選択肢もインピンジメント症候群の所見に含まれます。
4) 結節間溝部疼痛出現 - 大結節と小結節の間にある結節間溝は、回旋腱板のひとつである上腕二頭筋の長頭の腱が通過する場所です。この結節間溝部に疼痛が生じるのは、上腕二頭筋腱炎や腱の亜脱臼といった他の疾患の特徴であり、インピンジメント症候群の所見ではありません。したがって、選択肢4が正解です。