1→選択肢1) 不応期はない。
この選択肢は誤りです。神経細胞の軸索が活動電位を伝導する際には、一度活動電位が発生すると、その後すぐに再び活動電位が発生しない一定の期間が必要である。これを不応期といい、この期間中は新たな刺激に対して神経細胞が反応しないか、または非常に強い刺激にのみ反応する。
選択肢2) 全か無かの法則に従う。
この選択肢は正解です。活動電位は「全か無かの法則」に従います。これは神経細胞が一定の閾値を超える刺激を受けたときには最大振幅の活動電位を発生させるが、それ未満の刺激では全く活動電位を発生させない、という性質を表しています。したがって、活動電位は同じ大きさで、強い刺激であっても弱い刺激であっても、閾値を超えれば同じ振幅の信号が軸索を伝わります。
選択肢3) 隣接する別の軸索に伝わる。
この選択肢は間違っています。通常、活動電位はある神経細胞の軸索を伝わりますが、軸索から軸索へと直接活動電位が「飛び移る」事はありません。隣接する神経間で信号の伝達が起きるのは、シナプスと呼ばれる特殊な構造を通じてのみであり、そこでは化学物質(神経伝達物質)を介した情報伝達が行われます。
選択肢4) 軸索が細いほど速く伝わる。
この選択肢も誤りです。実際には、神経線維の太さや、髄鞘と呼ばれる絶縁物質が存在するか否かによって、活動電位の伝播速度が変わります。軸索が太いほど、また髄鞘が被っているほど、抵抗が小さくなり、活動電位は速く伝わります。逆に軸索が細い場合には抵抗が大きくなり、伝達速度は遅くなります。