1→ブローカ野について、それぞれの選択肢を解説します。
1) 側頭葉に位置する。
ブローカ野は側頭葉ではなく、前頭葉の一部に位置します。正確にはドミナント(多くの場合は左)半球の前頭葉の後下部、特にブロードマン領野44及び45に存在します。
2) 音の意味の理解に関わる。
この記述はウェルニッケ野の機能に近いです。ブローカ野は言語の産出、つまり言葉を話すことに関連しているので、音の意味の理解は直接関係していません。音の意味理解は側頭葉の後部にあるウェルニッケ野が担当しています。
3) 運動性皮質に情報を出力する。
ブローカ野は、言葉を発するために必要な運動プログラムを形成し、その情報を運動性皮質に渡すことで、言葉を話すための筋肉の動きを調節しています。したがって、この選択肢が正解です。
4) 損傷すると黙読が障害される。
ブローカ野の損傷は、黙読よりも実際の話す能力に影響を与えることが知られています。ブローカ失語と呼ばれる状態で、患者は流暢に話すことが困難になります。ただし、黙読は多くの神経回路が関係しているため、ブローカ野だけの損傷で黙読が障害されるわけではありません。
選択肢3が正解です。