1→1) 後索核
後索核は、後索-内側毛帯路の一部として知られており、触覚、圧覚、振動覚などの精細な触覚情報の伝達に関与していますが、下行性痛覚抑制系には直接含まれていません。痛覚情報と直接関連する経路には含まれていないため、この選択肢は正解ではありません。
2) 内側毛帯
内側毛帯は、痛覚や温度覚などを伝達する脊髄視床路の一部で、中枢神経系で痛みの情報を上行して脳に伝えます。しかし、内側毛帯は上行する感覚繊維の経路であって、下行性の痛覚抑制系には該当しないため、この選択肢も正解ではありません。
3) 脊髄視床路
脊髄視床路も痛み、温度覚などの情報を上行する経路の一つです。痛覚情報を含む感覚が脳の視床に伝達される役割を持ちますが、これは上行性経路であるため、下行性痛覚抑制系には含まれていないので、正解ではありません。
4) 中脳水道灰白質
中脳水道灰白質(periaqueductal gray, PAG)は、脳幹に位置する領域で、下行性痛覚抑制系の重要な部分です。これは、痛みの感覚入力を減少させることによって疼痛を抑制するシグナルを下行する役割を担っています。オピオイド受容体に作用する内因性鎮痛物質の作用部位でもあります。よって、選択肢4は正解です。