1→正常吸気、すなわち自然な静息時の呼吸には、横隔膜が主要な役割を果たします。では各選択肢について説明しましょう。
1) 肋骨挙筋:主に肋間筋の一つであり、深呼吸時に肋骨を上方に引き上げる補助的な役割を持つ。しかし、正常な静息時の吸気には主要な筋肉として関与していません。
2) 胸横筋:呼吸には直接関与せず、むしろ胸壁を安定させる役割を持っています。肋骨間の内部に位置し胸腔を構成する筋肉ですが、呼吸活動には貢献していないため、この選択肢も不正解です。
3) 横隔膜:これが正解です。横隔膜は胸膜と腹膜によって胸腔と腹腔を分ける大きなドーム型の筋肉で、静息時の吸気において最も重要な筋肉です。収縮するとドーム型が平らになり、胸腔を拡大して肺に空気を引き込む主動力となります。
4) 腹横筋:腹部の筋肉の一つで、腹筋群に属しますが、吸気とは直接関係がありません。主に腹圧を高める役割を持ち、強力な呼吸や咳、体幹の動きで補助的な役割を果たしますが、正常吸気には関与しないため不正解です。
したがって、選択肢3の横隔膜が正解です。