1→1) 酩酊歩行と腰部脊柱管狭窄症の組み合わせは不正解です。酩酊歩行は、バランスの保持が困難であるために、不安定で大きく揺れる歩行様式を指し、一般には脳の小脳機能障害やアルコールの影響が考えられる場合に見られます。腰部脊柱管狭窄症では歩行時の脚の疼痛やしびれが問題であり、これによって引き起こされる歩行異常は酩酊歩行ではなく神経性跛行であることが多いです。
2) 尖足歩行とパーキンソン(Parkinson)病の組み合わせは不正解です。尖足歩行は、足首関節において背屈が困難であり、歩行時に足先が先に接地するような歩き方を指します。これは神経系の障害により、下肢の筋力不足がある場合に見られる歩行です。パーキンソン病で特徴的なのは小刻み歩行や姿勢保持の障害で、尖足歩行とは異なります。
3) 間欠性跛行と脳性麻痺の組み合わせは不正解です。間欠性跛行は、歩いている途中で脚の痛みや疲労感が現れ、一旦止まって休むことで症状が和らぐことを繰り返す歩行パターンを指します。これは通常、末梢動脈疾患や閉塞性動脈硬化症による血流障害で起こります。脳性麻痺では、様々な歩行障害が生じる可能性はありますが、間欠性跛行はその特徴的な症状とは言えません。
4) 小刻み歩行と多発性ラクナ型脳梗塞の組み合わせは正解です。多発性ラクナ型脳梗塞は、脳の小さな動脈で発生する小規模な脳梗塞を繰り返すことで、次第に歩行能力が低下していきます。その結果、歩幅が狭く、足を持ち上げることが困難になり、小刻みな歩行が見られるようになります。これはパーキンソン病や高齢者に見られる神経的な歩行障害と酷似しているため、注意して診断する必要があります。選択肢4が正解です。