1→1) 対象範囲を障害者としている。
この選択肢は誤りです。ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)の対象範囲は障害者に限定されていません。ICFは全ての人の健康状態を概念化し、機能性と障害に焦点を当てた分類体系であり、健康な個人も含めて広範な集団を対象としています。
2) 身体構造とは身体の生理的機能を示す。
この選択肢も誤りです。ICFにおける「身体構造」とは、身体の部位、例えば、四肢や内臓などの解剖学的な部分を指します。生理的機能ではなく、身体の器官や構造そのものを指しています。一方、「生理的機能」とは、身体や心理的な機能のことを示しており、これはICFで「身体機能」と呼ばれます。
3) 個人因子の中に物理社会的状況が含まれる。
この選択肢も誤りです。ICFでは、「個人因子」とは、特定の個人に特有な背景(年齢、性別、社会的背景、性格、姿勢、育てられ方、経験、全体的な行動パターンや生活様式など)を指します。一方、「物理社会的状況」はICFで「環境因子」とされており、個人の外部に存在する物理的、社会的、態度的環境や、制度や政策などを指します。
4) 活動とは個人による課題や行為の遂行を示す。
選択肢4が正解です。ICFにおいて「活動」とは、個人が遂行する課題や行為全般を指します。これには日常生活における基本的な動作(食事をする、歩く、身の回りのことをするなど)だけでなく、より複雑な社会的な活動や業務実施も含まれます。活動の制限は、個人の身体的な障害や健康問題によって、これらの活動が困難となる状態を指します。