1→1) すり足で歩く。
すり足で歩く症状は、大脳の運動野が損傷した際に見られる症状であり、特に前頭葉障害や錐体外路損傷に関連しています。これは小脳の障害による失調性歩行とは異なるため、正しい選択肢ではありません。
2) 不安定で動揺しながら足を広げて歩く。
正解は選択肢2です。小脳の障害による失調性歩行では、体幹や下肢の協調運動が障害され、バランスを取ることが困難になります。これにより、足を広げて歩くことでバランスを保とうとする傾向があり、歩行が不安定で動揺するようになります。
3) 足を高く上げて足先を引きずるように歩く。
この歩行は、上行性(脊髄性)失調歩行と呼ばれるもので、特に脊髄の後索や末梢神経の障害により深部知覚が損なわれた際に見られます。このため、感覚性失調が生じ、自分の足の位置を感じることが難しくなり、その結果、足を高く上げるような動作となります。小脳疾患による失調性歩行とは異なるため、正しい選択肢ではありません。
4) 下肢は伸展したままで外方へ円を描くようにして前進する。
これは徒手運動に見られるサーカムダクションであり、主に股関節の関節運動が制限されている場合に観察されるものです。しかし、これは小脳疾患による失調性歩行とは異なるため、正しい選択肢ではありません。小脳疾患での歩行は主にバランスの保持に関わる障害が特徴的で、このような徒手運動とは異なります。