1→各選択肢の病態について説明します。
1) 軟骨無形成症
軟骨無形成症は骨の成長を支える軟骨が正常に形成されない遺伝性疾患で、身長の低さや四肢が短いといった特徴が見られます。根本的な原因は遺伝子の変異であり、軟骨の発育不全が低身長を引き起こす原因となります。
2) モルキオ(Morquio)病
モルキオ病はリソソーム病の一種であり、特定の酵素の欠如によって糖タンパク質が適切に分解されずに累積することによって起こります。この蓄積は骨格の異常、特に脊椎や大腿骨などの長管骨の成長に影響を及ぼし、低身長をもたらします。
3) 偽性上皮小体機能低下症
偽性上皮小体機能低下症はパラトルモン(PTH)に対する組織の抵抗性が原因で起こります。PTHはカルシウムとリンの代謝に関与しているため、PTHの作用不足はカルシウムの代謝異常を引き起こし、骨の成長と整合性に影響を及ぼし得ます。これによって成長障害や低身長が起こることがあります。
4) マルファン(Marfan)症候群
マルファン症候群は結合組織の異常を特徴とする遺伝性の疾患で、長身、長い手足や指、心臓や目の異常などが特徴的です。結合組織の変性が骨格の成長に影響を及ぼし、通常は高身長を引き起こします。したがって、マルファン症候群は低身長をきたさないことが多いです。
以上の解説から、選択肢4のマルファン(Marfan)症候群が低身長をきたさない疾患であることがわかります。選択肢4が正解です。