第32回柔道整復師国家試験 午後82

1→選択肢1) 腸骨稜－腸腰筋の牽引 腸骨稜は、骨盤の側面に位置する部位で、腸腰筋はここから起始します。ただし、腸腰筋の牽引によって骨盤骨裂離骨折が起こることは一般的ではありません。したがって、この組合せは正しくないです。 選択肢2) 上前腸骨棘－縫工筋の牽引 上前腸骨棘は骨盤の前面にある突起で、縫工筋はここから起始します。縫工筋は、足を内側に引き寄せたり、骨盤を安定させたりする働きをします。成長期の運動選手において、激しい運動や伸び盛りによる筋肉の過剰な引っ張りによって、上前腸骨棘に裂離骨折が起こることがあります。このため、選択肢2が正确解です。 選択肢3) 下前腸骨棘－大腿筋膜張筋の牽引 下前腸骨棘は、骨盤の少し下側にある突起で、ここから大腿筋膜張筋が起始します。大腿筋膜張筋は脚の外側面に沿って下部につながっており、脚や腰の安定に重要な役割を果たします。しかし、下前腸骨棘の裂離骨折がこの筋肉の牽引によって起こることは珍しいため、この選択肢も正しい組合せではありません。 選択肢4) 坐骨結節－長内転筋の牽引 坐骨結節は、骨盤の下部にある突出した部分で、多くの内転筋群がここから起始します。長内転筋もこれに含まれますが、坐骨結節に裂離骨折が生じる主な原因は、一般的にハムストリング筋群の強い牽引です。長内転筋は坐骨結節から起始しますが、裂離骨折を起こす主な筋肉ではないため、この選択肢は適切な組合せとは言えません。 正解は「選択肢2」です。