1→1) 初回脱臼が10~20歳
この年齢での初回脱臼は、反復性肩関節脱臼を発生させるリスク因子として知られています。この時期の肩関節は成長期にあり、組織がまだ発達途中であるため、脱臼しやすく、結果として反復して脱臼を起こしやすくなります。
2) 初回脱臼の短期間固定
初回脱臼を経験した後、十分な期間関節を固定しない場合、関節の安定性が回復せず、再度脱臼する危険性が増します。そのため、短期間の固定は反復性肩関節脱臼の要因となり得ます。
3) 上腕骨頭後外方の陥凹
上腕骨頭の関節面に後外方への陥凹がある場合、これは肩関節が脱臼した際の損傷に起因することが多く、反復性脱臼のリスクを高めるとされています。上腕骨の損傷は肩の不安定性に寄与する可能性があります。
4) 関節窩前上縁骨折の存在
関節窩前上縁骨折は、肩の安定性を高めることに寄与するため、反復性肩関節脱臼の要因ではありません。この骨折は、肩関節の脱臼時にしばしば発生するバンカート病変(Bankart lesion)の一種であり、反復性脱臼を防ぐための手術的治療の対象となることがあります。
選択肢4が正解です。肩関節の前方にある関節窩の縁に発生する骨折は反復性脱臼を予防する効果はほとんどなく、むしろ安定性を損なうことで脱臼を繰り返すリスクを増加させます。したがって、選択肢4が「反復性肩関節脱臼の要因ではない」という文脈で正しい選択となります。