1→選択肢1:血中遊離脂肪酸濃度
インスリンは、血中の遊離脂肪酸濃度を低下させる作用があります。インスリンが分泌されると、脂肪組織における脂肪酸の分解が抑制され、その結果として血中の遊離脂肪酸濃度は減少します。このため、この選択肢はインスリンの作用で増加するものではありません。
選択肢2:血中カリウムイオン濃度
インスリンは血中カリウムイオンを細胞内に移動させる作用があるため、血中のカリウムイオン濃度は一時的に低下します。インスリンは細胞のカリウムイオンチャネルを活性化し、カリウムの細胞内取り込みを促進するため、血中濃度が増加するわけではないです。
選択肢3:肝のケトン体産生
インスリンはケトン体の産生を抑制します。ケトン体は主に炭水化物が不足しているときに肝臓で生成される代替エネルギー源であり、インスリンが充分に存在する場合、代わりにグルコースがエネルギーとして使用されるため、ケトン体の産生は減少します。このため、インスリンによって肝のケトン体産生が増加することはありません。
選択肢4:肝のグリコーゲン合成
インスリンの主要な作用の一つは、肝臓におけるグリコーゲンの合成を促進することです。インスリンが分泌されると、肝臓は血液中のグルコースを取り込み、グリコーゲンとして貯蔵します。これによりエネルギー源が安定供給されるとともに、血糖値の調節が行われます。この選択肢が正解であり、インスリンの作用で確かに増加するプロセスです。
以上の解説から、選択肢4「肝のグリコーゲン合成」がインスリンの作用で増加する唯一の項目であり、この問題の正解です。インスリンによるこの作用は、体内のエネルギーバランスと血糖レベルの維持に不可欠です。