1→正解は「1.pHの上昇」です。これがヘモグロビンの酸素解離曲線が左方にシフトする要因として正しい理由を説明します。
選択肢1:pHの上昇
pHが上昇すると、血液はアルカリ性に傾くことになります。この状態を「アルカローシス」と呼びます。pHが上がると、ヘモグロビンの酸素への親和性が高まり、酸素解離曲線は左方にシフトします。この現象はボーア効果として知られており、酸素の解放が減少し、組織への酸素供給が効率的に行われるために重要です。この選択肢は正確であり、答えとして正しいです。
選択肢2:温度の上昇
温度が上昇すると、通常、ヘモグロビンの酸素解離曲線は右方にシフトします。これは高温によってヘモグロビンの酸素への親和性が低下し、酸素がより容易に解放されるためです。したがって、この選択肢は誤りです。
選択肢3:酸素分圧の上昇
酸素分圧の上昇自体はヘモグロビンの酸素への親和性に影響を与えず、単に解離曲線を右方向にシフトさせる効果はありません。この選択肢も誤りです。
選択肢4:2,3-ジホスホグリセリン酸の増加
2,3-ジホスホグリセリン酸(2,3-BPG)の増加は、実際にはヘモグロビンの酸素解離曲線を右方にシフトさせます。これは2,3-BPGがヘモグロビンと結合することで酸素の解放を促進するためです。このため、この選択肢も誤りです。
以上の解説から、pHの上昇がヘモグロビンの酸素解離曲線を左方にシフトさせる主要な要因であることが理解できます。