1→答えは「1.頚髄損傷」です。
選択肢1:頚髄損傷
頚髄損傷の場合、上位の神経経路が損傷されることにより、下位の神経節が正常な抑制を受けなくなります。このため、脊髄反射が亢進し、深部腱反射が異常に高まることがあります。これは上位運動ニューロン症候(UMN症候)と呼ばれ、筋緊張の亢進や反射の亢進が特徴です。この状態で下肢の深部腱反射が亢進するため、この選択肢は正しいです。
選択肢2:重症筋無力症
重症筋無力症は自己免疫疾患で、神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する抗体が生成されることにより筋力が低下します。筋疲労や筋力の低下が主な症状であり、深部腱反射の亢進は一般的な症状ではありません。したがって、この選択肢は不正解です。
選択肢3:筋ジストロフィー
筋ジストロフィーは遺伝性の筋疾患群であり、筋肉の進行性の弱化が特徴です。この病状では、筋力が低下し、徐々に筋肉が衰えていきますが、深部腱反射が亢進することは通常ありません。反射の低下が見られることもありますが、亢進は報告されていません。
選択肢4:ギラン・バレー(Guillain-Barre)症候群
ギラン・バレー症候群は、急速に進行する自己免疫による末梢神経炎であり、主に四肢の筋力低下や感覚障害が起こります。この病状では、特に初期に深部腱反射が消失することが典型的な症状です。したがって、深部腱反射が亢進することはありません。
以上の解説から、下肢の深部腱反射が亢進するのは「頚髄損傷」であるため、選択肢1が正解です。