1→答えは「4.第5~8肋骨の多発骨折で胸壁動揺を起こしやすい」です。
選択肢1:緊張性気胸の治療は酸素療法である。
緊張性気胸の主治療は酸素療法ではなく、速やかな空気の除去が必要です。これは通常、胸腔内に針やカテーテルを挿入して空気を抜くことによって行われます。酸素療法は支持療法として利用されることがありますが、主治療ではありません。この選択肢は誤りです。
選択肢2:内開放性気胸では膿胸を起こしやすい。
内開放性気胸では外界と胸腔が開通しており、感染が起こりやすくなるため、確かに膿胸のリスクは高まります。この選択肢は正しいです。
選択肢3:肋骨骨折の好発部位は第1~3肋骨である。
実際には第1~3肋骨は非常に堅く、その位置が保護されているため骨折しにくいです。肋骨骨折の好発部位は中肋骨、特に第4~9肋骨です。この選択肢は誤りです。
選択肢4:第5~8肋骨の多発骨折で胸壁動揺を起こしやすい。
第5~8肋骨の多発骨折は、胸壁の構造的な安定性を著しく損ない、胸壁動揺(flail chest)を起こす原因となります。胸壁動揺は、呼吸機能の重大な障害を引き起こす可能性があります。この選択肢は正しいです。
以上の解説から、胸部外傷において正しい選択肢は「第5~8肋骨の多発骨折で胸壁動揺を起こしやすい」という選択肢4です。この選択肢が胸部外傷の正しい描写をしています。