1→「1.上腕骨外顆骨折の回転転位」が正答とされています。この問題に対する解説を行います。
選択肢1:上腕骨外顆骨折の回転転位
上腕骨外顆は、小児において特に脆弱な部位であり、この部分での骨折は偽関節の形成につながりやすいとされています。回転転位とは、骨折した骨が回転して正常な位置からズレることを意味し、これが適切な治癒を妨げ、最終的に偽関節の形成へと進む原因となります。偽関節とは、骨折部が正常に癒合せず、骨と骨の間に異常な動きが生じる状態を指します。特に小児では骨の再生能力が高いものの、このような骨折の位置と転位の種類によっては適切な治療が必要です。
選択肢2:橈骨頸部骨折の屈曲転位
橈骨頸部骨折は、小児でよく見られる骨折ですが、屈曲転位が生じた場合でも、適切な治療と固定により正常な癒合が期待できます。この骨折による偽関節のリスクは比較的低いです。
選択肢3:大腿骨骨幹部骨折の捻転転位
大腿骨骨幹部骨折は、重篤な骨折でありますが、適切な手術や固定が行われることが一般的です。捻転転位が存在しても、現代の骨折治療法により偽関節のリスクを最小限に抑えることが可能です。
選択肢4:腓骨骨幹部骨折の側方転位
腓骨は脛骨と共に下腿を形成していますが、腓骨の骨折は脛骨に比べて癒合が困難な場合があります。しかし、側方転位だけでは偽関節に至るリスクは低いとされており、通常の治療で問題なく癒合が見込まれます。
以上が各選択肢に対する解説です。正解の「1.上腕骨外顆骨折の回転転位」が偽関節になりやすい理由は、この部位の特異性と転位の性質によるものです。適切な診断と治療の重要性が強調される事例と言えます。