1→「顎関節脱臼の整復で正しいのはどれか」という問題についての正解は「4.整復後はオトガイ部を把持する」です。それぞれの選択肢に対する解説を以下に示します。
選択肢1:ヒポクラテス法では術者は患者の後方に位置する。
ヒポクラテス法において術者は患者の前方に位置し、患者の顎を両手で支えて整復を行います。患者の後方から整復を行うのは一般的な方法ではありません。
選択肢2:口外法では術者の母指球をオトガイ部にあてる。
口外法(外科的整復法)では、術者の手指を患者の口内に挿入し、下顎の臼歯の後部にあたる部位を押し上げることで整復を試みます。母指球をオトガイ部にあてるのは一般的な手技ではなく、この記述は誤りです。
選択肢3:整復中は患者に発声しないよう指示する。
顎関節脱臼の整復時には、患者にリラックスしてもらい、顎の筋肉をできるだけ緩めるよう指示しますが、特に発声を禁じる指示は一般的ではありません。発声は関係なく、重要なのは顎の筋肉の緊張を避けることです。
選択肢4:整復後はオトガイ部を把持する。
顎関節脱臼の整復後、顎を安定させるためにしばらくの間オトガイ部(あごの先端部分)を支持して固定することが推奨されます。これにより再脱臼のリスクを減少させるとともに、顎の正常な位置を保持するのに役立ちます。これが正解です。
以上の解説から、選択肢4の「整復後はオトガイ部を把持する」が顎関節脱臼の整復で正しい手順として最も適切であることが確認できます。整復後の顎の安定化は再脱臼を防ぐために非常に重要です。