第31回国家試験 午後113
21歳の男性。大学テニス部に所属している。右肩部周辺の鈍痛や易疲労感、挙上障害を訴え来所した。肩関節屈曲時に肩甲骨内側縁と肩甲骨下角が後方に突出するのがみられた。 考えられないのはどれか。
正解!
不正解 答え 4
1→選択肢1:前鋸筋麻痺
前鋸筋は、肩甲骨を胸壁に引きつける役割を持ちます。この筋肉の麻痺や機能不全は、肩甲骨が胸壁から離れて突出する「翼状肩甲」という状態を引き起こします。肩関節屈曲時に肩甲骨が異常に突出する症状は、前鋸筋の障害による可能性が高いです。
選択肢2:僧帽筋麻痺
僧帽筋は、肩甲骨の位置と安定性を支える主要な筋肉の一つです。この筋肉の麻痺は、肩甲骨の位置が不安定になり、肩甲骨の異常突出を引き起こすことがあります。
選択肢3:菱形筋麻痺
菱形筋も肩甲骨の位置と動きを支える筋肉群で、この筋肉が麻痺すると、肩甲骨が正常な位置を保てなくなり、肩甲骨の突出や異常な動きが生じることがあります。
選択肢4:三角筋麻痺
三角筋は、肩の挙上や外転などの主要な動きを司る筋肉です。この筋肉の麻痺がある場合、肩の挙上や動き自体が困難になりますが、肩甲骨が後方に突出する「肩甲骨翼状」は直接的な関連はありません。この症状は肩甲骨を安定させる筋肉群の機能障害により生じるため、三角筋麻痺はこの症状に直接結びつきません。
これにより、問題241において選択肢4「三角筋麻痺」が考えられない合併症であることが理解できます。