第31回国家試験 午後118
30歳の女性。10年ぶりにテニスを再開している。休暇を取り1週間連続でプレーしたところ、右肘関節外側が痛み始めた。2週間ほどテニスを控えていたが、仕事でパソコン入力作業にも支障をきたすようになった。
陽性となる徒手検査はどれか。
正解!
不正解 答え 2
1→選択肢2「トムゼン」テストがこの状態を診断するのに最適な徒手検査として挙げられています。ここで各選択肢を1から順に解説します。
選択肢1:スピード
スピードテストは、肩の腱板損傷、特に二頭筋腱の病変を検出するために用いられます。肘の外側の痛みとは関連がないため、この症状の評価には適していません。
選択肢2:トムゼン
トムゼンテストは、患者に拳を握らせ、手首を伸ばした状態で、手の甲側を下に向けさせ、診断者が患者の手の甲を下に押すテストです。肘の外側に痛みがある場合、このテストが陽性であり、外側上顆炎(テニス肘)の診断に有効です。肘の外側の筋腱が炎症を起こしており、それが痛みの原因です。
選択肢3:リフトオフ
リフトオフテストは、肩の後方の筋肉、特に棘下筋の障害を評価するために使用されるテストです。これは肩関節の問題を診断するためのものであり、肘の症状とは無関係です。
選択肢4:フィンケルスタイン
フィンケルスタインテストは、手首の腱鞘炎、特にドケルバン病と呼ばれる状態を評価するために用いられます。これは親指の腱に影響を及ぼすもので、肘の痛みとは関係がありません。
以上の解説から、選択肢2「トムゼン」テストがこの患者の症状に対して適切な徒手検査であると判断できます。他の選択肢はこの症状に対応するテストではありません。