第31回国家試験 午後121
17歳の女性。バスケットボール試合中に右膝前十字靭帯を負傷し、3週間後に再建術を受けた。図は術後8週での2本のゴムバンドを用いた大腿四頭筋の等張運動である。 下腿近位に当てたゴムバンドの役割はどれか。
正解!
不正解 答え 3
1→問題の設定において、17歳の女性がバスケットボール試合中に右膝の前十字靭帯を負傷し、手術後のリハビリテーションとして大腿四頭筋の等張運動を行っている状況です。下腿近位に当てたゴムバンドの役割についての問題解答が「3.脛骨の前方移動制御」である理由を解説します。
選択肢1:側方動揺性の制御
この選択肢は、膝関節の側方からの安定性を提供するものであり、脛骨の側方への動きを制限する目的で使用されることが一般的です。しかし、前十字靭帯の損傷や手術後のリハビリテーションでは、特に脛骨の前方への過度の移動を防ぐことが重要であり、この選択肢では直接的な役割を果たしません。
選択肢2:膝蓋骨の安定化
膝蓋骨の安定化は膝蓋骨周囲の筋肉のトレーニングや特定のテーピング技術によって達成されることが多く、脛骨を直接的にコントロールするものではありません。したがって、この状況においては適切な選択肢とは言えません。
選択肢3:脛骨の前方移動制御
前十字靭帯は膝関節内で脛骨が不自然に前方に移動するのを制限する役割を持っています。前十字靭帯の損傷や手術後では、この靭帯の機能を代替・サポートするために脛骨の前方移動を制御することが非常に重要です。そのため、リハビリテーションで使用されるゴムバンドは、脛骨が前方に過度に移動するのを抑える役割を果たし、この選択肢が最も適切です。
選択肢4:膝蓋靭帯の固定
膝蓋靭帯の固定は膝蓋骨を膝関節内で適切な位置に保持するために重要ですが、脛骨の動き自体を制御することは目的としていません。この選択肢も、問題の状況には直接関連しないため不適切です。
以上の解説から、手術後のリハビリテーションで使用されるゴムバンドが脛骨の前方移動を制御する目的であることが理解できます。