50歳の男性。右肩痛を訴えて来所した。10年前に柔道で負傷したが放置していた。最近、右肩に力を入れると痛みが走り、肩を使うと次第に痛みが強くなる。近医で単純エックス線検査を受けたところ、図のような所見であった。検査で陽性となるのはどれか。
1→サルカスサインとは、上肢を把持し下方に押し下げることで、肩峰と大結節に間隙ができるか確認する検査法である。動揺性肩関節の際、陽性となる。
2→ライトテストとは、坐位にて肩関節外転90°、90°外旋位で橈骨動脈の拍動が減弱・消失するか確認する検査法である。胸郭出口症候群(過外転症候群)の際、陽性となる。
3→アドソンテストとは、坐位で頚部を後屈させ、右か左回旋して深呼吸させて息を止めさせ、橈骨動脈の拍動が減弱・消失するか確認する検査法である。胸郭出口症候群(斜角筋症候群)の際、陽性となる。
4→図をみると、健側に比べて患側の大結節が上方に偏位していて、大結節と肩峰までの距離が近くなっている。そのため、棘上筋健や肩峰下滑液包は、挟まれてしまい炎症起こすインピンジメント症候群が発生していると考えられる。