1→1) インスリン減少
インスリンの主な作用の一つは、血糖値を降下させることですが、インスリンには細胞内にグルコースを取り込むときにリン酸も細胞内に一緒に取り込む作用があります。よって、インスリンが減少すると、この作用が低下し、血中のリン酸濃度はむしろ上昇する傾向にあります。
2) カルシトニン減少
カルシトニンは甲状腺から分泌されるホルモンで、血中のカルシウム濃度を減少させる作用がありますが、リン酸濃度に直接的な影響を与えることは少なく、主にカルシウムの代謝に関与しています。したがって、カルシトニンの減少が直接的に血中のリン酸濃度を低下させるわけではありません。
3) ビタミンD過剰
ビタミンDは、カルシウムとリン酸の吸収を腸で促進する働きがあります。そのため、ビタミンDが過剰になると血中のカルシウム濃度とリン酸濃度は上昇することが期待されます。ビタミンDの過剰摂取がリン酸濃度を低下させることはありません。
4) 副甲状腺ホルモン(上皮小体ホルモン)過剰
副甲状腺ホルモンは、血中のカルシウム濃度を上昇させる作用がありますが、その過程で骨からのリン酸の放出を促し、腎臓でのリン酸の再吸収を抑制します。結果として、血中のリン酸濃度は低下することになります。したがって、この作用により副甲状腺ホルモンが過剰になると血中リン酸濃度は低下することになるので、選択肢4が正解です。