第30回国家試験 午後108
20歳の男性。サッカーの練習中転倒し左手掌を強く衝いた。翌日、疼痛が強くなり来所した。母指・示指に軸圧を加えたり手関節橈背屈で疼痛の増悪がみられた。
考えられないのはどれか。
正解!
不正解 答え 1
1→選択肢1) 有鉤骨(ハムレート)骨折
有鉤骨は、手首の小さな骨の一つであり、一般に手足を強く打ち付けた際にはより大きな骨が影響されやすいです。この問題のシナリオでは、サッカーの練習中に転倒し、手掌を強く衝いたとありますが、有鉤骨骨折は比較的まれな骨折であるため、考えにくいです。正解は選択肢1)です。
選択肢2) 手根中央関節脱臼
手根中央関節は、手根骨間の関節であり、転倒時に手をついた場合に脱臼することがあります。手掌を強く衝いたことにより発生し得る負傷であるため、この選択肢は間違っている可能性があります。
選択肢3) 月状骨脱臼
月状骨は手関節にある手根骨の一つであり、転倒して手をついた際に脱臼しやすい骨です。この事例のようなメカニズムのトラウマでは月状骨脱臼が起こりうるため、この選択肢も間違っている可能性があります。
選択肢4) 舟状骨骨折
舟状骨骨折は手根骨の中で最も一般的な骨折であり、転倒して手のひらで地面を受け止める際に起こりやすい骨折です。症状には手首の橈側(親指側)の疼痛や腫れなどがあり、軸圧や手関節の橈背屈で疼痛が増悪するため、正解ではありません。