1→肘関節の脱臼後の固定は、その脱臼の種類によって適切な固定肢位が異なります。肘関節後方脱臼に対する固定肢位について具体的に見ていきましょう。
1) 伸展位
肘関節後方脱臼の際に、伸展位で固定することは一般的に推奨されていません。伸展位での固定は、脱臼した関節を安定させにくく、治癒を遅らせる可能性があります。また、痛みの管理が困難になることも問題となります。
2) 45度屈曲位
45度屈曲位でも、肘関節後方脱臼には適していないとされています。脱臼が治癒する過程で肘関節に適切な緊張を保つためには、ある程度の屈曲が必要とされているため、45度屈曲位では十分ではない可能性があります。
3) 90度屈曲位
選択肢3が正解です。肘関節後方脱臼に対しては、肘を90度屈曲位で固定することが一般的に推奨されています。この肢位では、肘関節の安定性が向上し、周囲の靭帯や筋肉にも適切な緊張を与えることができるため、治癒の過程を促進します。
4) 120度屈曲位
120度屈曲位での固定は、肘関節後方脱臼においては適切でないことが多いです。過度な屈曲は、関節に過剰なストレスを与えることがあり、快適な固定姿勢を維持するのが困難になる場合があります。また、肘関節や周囲のソフトティッシュへの過負荷につながることもあるため、この肢位での固定は避けられる傾向にあります。
したがって、肘関節後方脱臼に対する固定肢位としては、90度屈曲位が推奨されます。