1→肘内障は肘関節の屈曲障害で、子供によく見られます。肘内障は、輪状靱帯が橈骨頭に正常に位置していない状態を指し、通常は亜脱臼や脱臼の状態を指します。それぞれの選択肢について解説を加えます。
1) 肘関節外側部の腫脹
肘内障においては、肘関節外側部の腫脹は典型的な症状ではありません。腫脹は外傷や炎症などの他の状態を示唆することが多く、肘内障の直接的な徴候ではないため、この選択肢は不適切です。
2) 肘関節外反動揺性
肘関節の外反動揺性とは、関節が正常な軸を越えて動くことを意味し、肘の不安定性を示唆する症状の一つですが、これは肘内障の特徴的な症状ではありません。肘内障では屈曲障害がみられますが、外反動揺性とは異なるため、この選択肢も不正解です。
3) 輪状靱帯の亜脱臼
肘内障の最も特徴的な所見は輪状靱帯の亜脱臼です。子供の場合、輪状靱帯が柔らかく引っ張られやすいため、腕を引っ張ったり、不適切な方向に力が加わることで、亜脱臼を起こすことがあります。その結果、肘の屈曲に障害が起こります。このため、選択肢3が正解です。
4) 単純エックス線像での異常所見
肘内障では、単純エックス線像では異常所見が見られないことが一般的です。通常、輪状靱帯の亜脱臼はX線像では明確に確認することができません。そのため、この選択肢も不正解となります。