第31回柔道整復師国家試験 午前83

1→選択肢1：縮瞳 縮瞳は交感神経の作用ではなく、副交感神経の作用によって引き起こされます。交感神経が優位な状態では、瞳孔が拡大する反応が一般的です。このため、この選択肢は交感神経の作用としては不適切です。 選択肢2：心拍数の減少 心拍数の減少も副交感神経の作用によるもので、交感神経の活性化は心拍数を増加させる効果があります。交感神経が優位になると、体は「戦うか逃げるか」の準備をするため、心拍数が速くなるのです。この選択肢も交感神経の作用としては正しくありません。 選択肢3：糖新生の促進 糖新生の促進は交感神経の作用の一つです。交感神経が活性化すると、肝臓での糖新生が促進され、血糖値が上昇します。これによって、急速なエネルギー需要に応えるためのグルコースが供給されるため、この選択肢は正しい答えです。 選択肢4：腸管運動の亢進 腸管運動の亢進は副交感神経の作用によります。交感神経の活性化は、むしろ腸管運動を抑制し、消化活動を低下させます。これは体が緊急時に他の機能にエネルギーを集中させるためです。したがって、この選択肢は不正確です。 以上の解説から、交感神経の作用として糖新生の促進が正しい選択肢であり、答えは「3」であることが確認できます。この作用はエネルギーの迅速な供給を可能にし、身体が迅速に反応するための生理的基盤を形成します。