第31回柔道整復師国家試験 午後87

1→選択肢1: 長母指伸筋腱断裂 長母指伸筋腱断裂は、手首の急性外傷や切断に関連するものであり、コーレス骨折後に疼痛が残存する要因としては一般的ではありません。コーレス骨折とは、手首の遠位橈骨が特有の方法で折れる骨折を指し、直接長母指伸筋腱に影響を与えるものではないため、この選択肢は疼痛の直接的な原因とは見なされません。 選択肢2: 尺骨茎状突起偽関節 尺骨茎状突起偽関節は、コーレス骨折に関連してしばしば見られる合併症の一つです。この偽関節が形成されると、橈尺関節の動きが正常に機能しなくなり、痛みや不快感が生じることがあります。これはコーレス骨折後の慢性的な痛みの原因となり得ます。 選択肢3: 遠位橈尺関節不全脱臼 遠位橈尺関節の不全脱臼も、コーレス骨折の合併症として発生し得るもので、手首の機能的な動きに影響を及ぼし、持続的な痛みを引き起こすことがあります。この脱臼は、手首の安定性を損ない、慢性的な痛みの源となることが一般的です。 選択肢4: 三角線維軟骨複合体損傷 三角線維軟骨複合体（TFCC）損傷は、手首の回旋や握力の動作中に痛みを引き起こすことがあります。コーレス骨折に伴って発生することがあるため、骨折後の慢性的な疼痛の原因として考えられます。 以上の解説から、コーレス骨折後に疼痛が残存する要因として、長母指伸筋腱断裂は直接的な関係がなく、一般的な原因とは見なされないため、この選択肢が正解です。他の選択肢はコーレス骨折後の疼痛を引き起こす可能性がある要因を指しています。