第31回国家試験 午後115
41歳の男性。ソフトボールの試合中に遠投した際、右肩に鋭い痛みを感じて負傷退場した。氷で冷やし安静にしていたところ痛みは緩和したが、また痛みが増してきたので翌日来所した。肩部の腫脹はみられないが肩峰下部に圧痛がみられ、肩関節外転が制限されている。
陽性となる検査法はどれか。
正解!
不正解 答え 4
1→答えは「4.ドロップアームテスト」です。このケースでは、ソフトボールの試合中に肩に鋭い痛みを感じた後、肩峰下部に圧痛があり、肩関節の外転が制限されている状況が説明されています。これらの情報を基に、関連する検査法を考慮します。
選択肢1: ライトテスト
ライトテストは、肩のインピンジメント(挟み込み)症候群の診断に使われるテストですが、本ケースでの症状には直接的な関連が示されていません。
選択肢2: サルカスサイン
サルカスサインは、肩関節の脱臼や不安定性を評価するためのテストです。本ケースでは脱臼や不安定性よりも、具体的な動きに伴う痛みの可能性が高いため、不適切です。
選択肢3: ヤーガソンテスト
ヤーガソンテストは、上腕二頭筋の腱障害を評価するテストです。本ケースの記述からは、特に上腕二頭筋腱障害の兆候は明確ではないため、このテストの適用は不適切と考えられます。
選択肢4: ドロップアームテスト
ドロップアームテストは、回旋筋腱板の損傷を評価するために使用されます。患者が腕を横に持ち上げた後にゆっくりと下ろすこのテストで、患者が痛みや腕の急激な落下を示した場合、回旋筋腱板の損傷が疑われます。このケースでの症状と、肩の外転制限を考慮すると、ドロップアームテストが陽性になる可能性が最も高いです。
したがって、正しい答えは「4.ドロップアームテスト」であり、これが肩の損傷、特に回旋筋腱板の問題を示唆する最も適切な検査方法です。この知識は、診断と治療の計画において非常に重要です。