1→1) 間違いを起こさない前提で医療を行う。
間違いを起こさないことは理想的ですが、実際にはヒューマンエラーなどの間違いは避けがたく存在します。リスクマネジメントでは、エラーを未然に防ぐだけでなく、万が一エラーが発生した時の対処やシステムの改善にも焦点を当てます。そのためこの選択肢は正しいリスクマネジメントの考え方を示していません。
2) 医療従事者の過誤がなければ問題にしない。
医療従事者の過誤がなくても、医療には様々なリスクが存在します。また、発生しなかった事象からもリスクを割り出し、再発防止や安全対策を講じることがリスクマネジメントの重要な側面です。この選択肢は、リスクマネジメントの取り組みを限定してしまっており、不適切です。
3) 患者や家族からの訴えがなければ検討しない。
リスクマネジメントは、患者や家族からの訴えがある場合だけでなく、潜在的なリスクを見つけ出し、予防する取り組みです。また、問題が明らかになる前にシステムを見直し、改善することも求められます。この選択肢は、リスクマネジメントの主体的な姿勢を欠いています。
4) 患者に被害が及ばない事例も含む。
これが正しいリスクマネジメントの考え方です。リスクマネジメントは、患者に被害を及ぼす事例のみならず、潜在的なリスクを含めた全ての事象について考慮し、分析、評価を行い、対策を講じます。患者に被害が及ばなくても、同様の事例が繰り返されれば将来的な被害の可能性があります。したがって、このような事例からも学び、より良い医療を提供するための工夫を進めることが重要です。選択肢4が正解です。