1→酸素分圧(PaO2)とは、血液中の酸素の分圧を指し、呼吸器系の機能を評価する指標の一つです。酸素分圧が最も高い場所は、大気から体内への酸素の経路をたどるときに最初に遭遇する場所、すなわち吸い込まれた空気が存在する場所です。
1) 吸気: 大気中の酸素分圧は約160mmHgで、これは通常の海面大気圧下での値です。吸い込まれたばかりの空気に含まれる酸素分圧が最も高いです。選択肢1が正解です。
2) 肺胞気: 肺胞における酸素分圧は、吸気空気よりも低くなります。これは肺胞での酸素と二酸化炭素のガス交換によるものです。肺胞における酸素分圧は約104mmHgです。
3) 動脈血: 肺胞でのガス交換により酸素は血液に取り込まれますが、その過程で血液による運搬、そして組織での酸素の使用があるため、肺胞気よりもさらに酸素分圧は低くなります。動脈血の酸素分圧は肺胞気のそれよりもわずかに低く、約95-100mmHgです。
4) 肺静脈血: 肺静脈血は肺から酸素を受け取り、心臓を通して動脈へ送られます。この酸素分圧も動脈血の酸素分圧と同程度、約95-100mmHgです。しかし、それは吸気中の酸素分圧よりも低くなっています。
したがって、酸素分圧が最も高いのは吸気であり、選択肢1が正解です。