1→以下に各選択肢の解説を記します。
1) 「肺うっ血は右心不全によっておこる。」
この記述は正しくありません。肺うっ血は左心不全によって起こります。左心室の機能不全により左心室から血液が十分に体循環に送出されず、肺循環に血液が滞留することによって発生します。右心不全では、通常、全身の静脈系にうっ血が起こり、下肢の浮腫や肝臓のうっ血などが見られます。
2) 「下肢のうっ血では下肢静脈瘤が生じやすい。」
これが正しい記述であり、選択肢2が正解です。下肢のうっ血は、下肢の静脈の血液流れが悪くなることで発生します。うっ血が持続することによって、静脈内の圧が上昇し、静脈壁が拡張して静脈瘤ができやすくなります。
3) 「門脈圧亢進症では腹水より胸水をきたしやすい。」
この記述は不正確です。門脈圧亢進症では、門脈系の圧力が上昇し、特に腹腔内にうっ血が生じやすくなるため、主に腹水が生じます。腹水は、門脈圧の上昇によって腹腔内の圧力が増加し、血漿成分が腹腔内に漏れ出て蓄積した状態を指します。胸水よりも腹水がより一般的な症状です。
4) 「うっ血肝では小葉中心部が黄色、辺縁部が暗赤色を呈する。」
この記述は、末梢性うっ血肝について説明しているものですが、部分的に不正確です。うっ血肝では心不全などにより肝臓への血液の逆流が生じることによって、肝臓がうっ血します。末梢性うっ血肝においては、小葉中心部(心臓に近い部分)に血液が滞留して暗赤色を呈し、辺縁部が正常または淡い色を呈することがあります。黄色変化は、脂肪変性や壊死など他の病態で見られることが一般的です。