1→以下に各選択肢に対する解説を記載いたします。
1) インピンジメントサイン:
インピンジメントサインは、回旋筋腱板やその下にある滑液包が肩峰や鎖骨下窩と干渉して炎症や痛みが生じるインピンジメント症候群の検査に使用されます。棘上筋が損傷している場合、棘上筋が関与する肩関節の上方への動きで痛みが誘発されるため、この検査は有効です。
2) ペインフルアークサイン:
ペインフルアークサインは、肩を横に挙上する際に、特定の角度(通常は60度から120度の間)で痛みを感じることを指し、回旋筋腱板の損傷やインピンジメント症候群で見られる典型的なサインです。棘上筋の損傷の場合も痛みが発生する可能性があるため、この検査が行われます。
3) ドロップアームサイン:
ドロップアームサインは、患者に腕を横に挙げてゆっくりと下ろす動作をしてもらい、特定の位置で腕が落ちてしまう(制御できない)現象を確認する検査です。これは回旋筋腱板の損傷、特に棘上筋の断裂を示唆するサインです。
4) リフトオフテスト:
リフトオフテストは、肩関節の内旋と伸展に関与する下位回旋筋腱板(特に棘下筋)の機能を評価するための検査です。患者に背中の後ろから手を持ち上げさせ、これが困難な場合は棘下筋の損傷が疑われます。したがって、棘下筋ではなく棘上筋損傷の徒手検査としてリフトオフテストは誤っています。
選択肢4が正解です。棘上筋損傷の評価ではリフトオフテストは適切な検査法ではありません。それに対してインピンジメントサイン、ペインフルアークサイン、ドロップアームサインは棘上筋損傷の評価に用いられる検査法です。