1→SLRテスト(Straight Leg Raising Test)は、椎間板ヘルニアや神経根症を評価するために用いられるテストです。患者が仰向けになり、治療者が患者の下肢を膝を伸ばしたままゆっくりと持ち上げることで行われます。神経根への牽引刺激や感圧により痛みを誘発する場合、テストは陽性と評価されます。
1) 大腿部前面の打撲の場合、SLRテストは通常陽性とはなりません。打撲は外傷による直接的な損傷であり、神経根の圧迫や牽引による症状ではありません。
2) 大腿四頭筋の肉離れの場合も、SLRテストは陽性にはなりません。肉離れは筋肉の断裂による損傷であり、神経牽引による症状とは異なります。
3) 下腿三頭筋の肉離れは、ふくらはぎの筋肉に関連する損傷です。これによってSLRテストが陽性を示すことは一般的ではありません。SLRテストは主に腰部から下肢にかけての神経症状を評価します。
4) 大腿二頭筋の肉離れの場合、痛みは大腿後面に局在しますが、この筋肉の損傷がSLRテストの陽性に直接関連するわけではありません。しかし、大腿後面に痛みがある場合にSLRテストを行うと、伸筋反射経路を介して関連筋肉に緊張が生じ、症状を誘発または増悪させる可能性があります。それにも関わらず、大腿後面の筋肉損傷は椎間板ヘルニアや神経根症などとは異なるため、SLRテスト陽性の直接的な原因とはならないため、選択肢4は誤りです。
従って、正解は明示されていませんが、通常はSLRテストで陽性となるのは、腰椎椎間板ヘルニアや神経根症など、下肢に放散する神経痛の原因となる病態の場合です。すべての選択肢はSLRテストの陽性と直接関連するものではないため、問題文として不適切か、情報が不足している可能性があります。