1→膝関節側副靭帯損傷において最も一般的に観察されるのは側方動揺性(選択肢1)です。側副靭帯は膝関節の安定性を保持するために不可欠であり、その出現は膝関節を支える能力の低下を示します。靭帯が損傷されると、関節が正常な範囲を超えて横に動きやすくなるため、側方への過度の動揺を引き起こすことがあります。このため、側方動揺性は側副靭帯損傷の診断において重要な所見となります。
選択肢2の嵌頓症状は、関節内の遊離体が関節運動時に挟まりこむことで発生するものです。膝関節に関して言えば、骨片や軟骨片が遊離体となることが多いですが、これは側副靭帯損傷に直接関連する症状ではありません。
選択肢3の膝崩れは、膝関節が正常に体重を支持できずに不安定になる状態を指します。これは側副靭帯損傷によって引き起こされることもありますが、膝崩れ自体は他の多くの膝の問題(例えば前十字靭帯の損傷や膝関節の変性など)に見られるため、側副靭帯損傷を特異的に示す症状とは言えません。
選択肢4の軋轢音(クレピタス)は、関節面の滑らかさが損なわれることで生じる音や感覚を指し、主に変形性関節症や関節内の軟骨損傷に伴って見られます。これも側副靭帯損傷に直接的に関連しておりません。
よって、説明より選択肢1が正解です。