1→食前と比べて食後60分に血液中の値が低下することを考慮し、各選択肢について解説します。
1) 血糖
食後は、摂取した食物の糖分が小腸から吸収されて血糖値が上昇します。そのため、血糖が低下するというのは、通常の状態とは異なります。食前に比べて食後で血糖値が低下するということはなく、むしろ食後は血糖値が高くなるため、この選択肢は不正解です。
2) 尿素窒素
尿素窒素(BUN)は、体内でタンパク質が分解されたときの代謝産物です。食後にタンパク質が消化・吸収されることを考えれば、血液中のBUNが一時的に上昇することも考えられますが、通常は食後60分で顕著に低下するものではありません。そのため、この選択肢も不正解です。
3) インスリン
インスリンは、食後に血糖値の上昇を感知して膵臓から分泌されるホルモンであり、その主な役割は血液中の糖を細胞内に取り込み、血糖値を低下させることです。食後、特に高血糖を引き起こす食事を摂取した後は、インスリンの分泌が促進されるため、血液中のインスリン濃度が増加します。したがって、食後60分でインスリン値が低下するとは通常考えられません。この選択肢も不正解です。
4) グルカゴン
グルカゴンは、インスリンとは逆の作用を持つ膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値が低下した時にその濃度を上昇させるために作用します。食後には血糖値が上昇するため、グルカゴンの分泌は抑制され、結果として血液中のグルカゴン濃度が低下します。したがって、食後60分に血液中のグルカゴン値が低下するのは理にかなっており、選択肢4が正解です。