第30回柔道整復師国家試験 午前109

1→選択肢1) 前十字靭帯 前十字靭帯（ACL: Anterior Cruciate Ligament）は、脛骨の前方への逸脱を防ぎ、脛骨が過度に前方に移動するのを制限する役割を持っています。また、膝関節の回旋安定性にも関与しています。したがって、脛骨の後方への逸脱を防ぐ構造ではありません。 選択肢2) 後十字靭帯 後十字靭帯（PCL: Posterior Cruciate Ligament）は膝関節の重要な部分で、脛骨が膝関節で後方に移動するのを防ぐ主な構造です。この靭帯が損傷すると、脛骨の後方移動が制限されず、膝の不安定性につながる可能性があります。したがって、選択肢2が正解です。 選択肢3) 内側側副靭帯 内側側副靭帯（MCL: Medial Collateral Ligament）は、膝関節の内側に位置しており、脛骨側面の内側から大腿骨の内側にかけて延びています。この靭帯の主な役割は、膝関節における内側への過度な開き（外方力に対する抵抗）を防ぐことです。したがって、脛骨の後方への逸脱を防ぐ役割はありません。 選択肢4) 外側側副靭帯 外側側副靭帯（LCL: Lateral Collateral Ligament）は、膝関節の外側に位置し、脛骨側面の外側から大腿骨の外側にかけて延びています。この靭帯は、膝関節における外側への過度な開き（内方力に対する抵抗）を防ぎます。脛骨の後方への逸脱を直接防ぐ構造ではないため、この選択肢も正解ではありません。 したがって、脛骨の後方への逸脱を防ぐのは「選択肢2) 後十字靭帯」です。